Cloud Nativeをはじめとする新しい技術や考え方が次々と登場する中、「面白そうだから試したい」と取り組み始めても、実際にはなかなか現場に浸透しない、ということがあるかもしれません。特に生成AIのような不確実性の高い・進化の速い技術であれば、興味を持つ人は多いものの、「試したい」で止まり、組織の壁を越えられない、マネジメント層の理解や予算がなかなか得られない、個人の熱意だけに頼ってしまうこともあるのではないでしょうか。
私は『スタディサプリ』開発組織の責任者として、この課題に対し組織として持続可能な形で生成AIの活用を進めてきました。コミュニケーション・組織設計・予算確保というマネジメントの工夫はもちろん、マネージャである私自身が情熱を持って技術に熱中し、実際に手を動かし、自分の言葉で価値を語る重要さを強く感じています。
その結果、生成AIを活用したプロダクトのリリース、音声の文字起こしやRAGによる検索性向上、議事録の生成、レビューの自動化などの業務効率化、CursorやDevinなどを活用した開発生産性の定量的改善など、生成AI活用が現場にとって「当たり前」として定着しつつあります。
本発表では、「マネジメントによる仕組み」と、それを支える「熱量」の両面から、どのように組織に浸透させ、具体的な成果へと結びつけていったかを実践事例を交えながら紹介します。
このセッションを通じて、技術導入に対する熱量を持つマネージャー・リーダー・エンジニアのみなさんが明日から一歩を踏み出すヒントになれば幸いです。