OTel meets Wasm: プラグイン機構としてのWebAssemblyから見る次世代のObservability

Proposal: (採択)

中級者   Operation / Monitoring / Logging

OpenTelemetry (OTel) Collectorは、テレメトリーデータの受信、処理、エクスポートを行うベンダー非依存の実装です。これにより、個別のエージェントを導入せずに、さまざまなサービスに対応できます。公式が提供するバイナリには、最低限の機能を持つ「core」と、コミュニティ提供の機能を多く含む「contrib」があります。しかし、セキュリティ上の観点から、「contrib」バイナリの直接使用は推奨されていません。一方で、特定のプラグインのみを含むCollectorを用意するには、専用ツールを用いたビルドパイプラインの構築が必要であり、負担が大きいという課題があります。
本セッションでは、WebAssemblyを活用したプラグイン機構を利用し、手軽に必要最小限のOTel Collectorをデプロイする方法を探ります。まず、WebAssemblyを用いたプラグイン機構の実装方法について解説します。次に、PoCを通じて、実際に必要最低限の機能のみを有効化したバイナリをデプロイします。最後に、得られた利点と課題点に触れ、実環境への適用可能性を検討します。

Kotaro Inoue
LINEヤフー株式会社
Software Engineer

社内向けプライベートクラウドのソフトウェアエンジニアとして、Kubernetes as a Service (KaaS)の開発に携わっている。また、業務内外を問わず、KubernetesやCNCF関連プロダクトを中心にOSS活動を行っている。Kubernetes Orgのメンバーであり、認定Kubestronaut。

Tsuzuki Tsuchiya
LINEヤフー株式会社
Software Engineer

2022年にヤフー株式会社に新卒で入社。現在に至るまで社内のKubernetes as a Serviceの運用および開発に従事。GoやKubernetesを初めとしたクラウドネイティヴ技術を活用してSREの推進や、自動化の取り組みを進める。