マイクロサービスにおける正確かつ容易なトランザクション管理に向けて

Proposal: (不採択)

中級者   Storage / Database

Database-per-service に基づくマイクロサービスアプリケーションの開発は、複数・異種のデータベースの一貫性を保証する必要があるため非常に困難です。コミュニティではSaga等のアプローチが広く推奨されていますが、当該アプローチはアプリケーションがトランザクションの独立性を保証する必要があり、つまり、アプリケーション開発者が複雑なリカバリーコードを書かないといけないという欠点があります。別の方法としては二層コミット(2PC)がありますが、二層コミットはマイクロサービスにおいてはアンチパターンとして考えられており、スケーラビリティや可用性に課題があると考えられています。
本セッションでは、マイクロサービスの利点を復習し、既存のトランザクション管理方法の利点・欠点を再考します。また、マイクロサービスの利点を損なうことなく、正確かつ容易トランザクション管理を行うアプローチを紹介します。

Hiroyuki Yamada
Scalar, Inc.
最高技術責任者 (CTO)

ヤフー、IPA未踏事業、東京大学生産技術研究所(現任)等において一貫して分散データベースの研究開発に従事。 2017年にScalarを創業し、データ管理における信頼性の課題を解決するミドルウェア製品であるScalarDB(VLDB'23採録)とScalarDL(VLDB'22採録)の研究開発を開始。 2023年から米国における事業展開を開始。博士(情報理工学)。