「オブザーバビリティ(Observability)」という言葉は今やバズワードです。バズワードが広まる背景には正当な理由がありますが、多くの場合、人々はそれを「カッコよく」「専門的に聞こえる」ように使いすぎてしまい、本来の意味が薄れていきます。
このセッションでは、まず科学的な「オブザーバビリティ」の定義を整理し、人類が記録を残し始めて以来どのようにデータを扱い、最適化してきたのかを振り返ります。その上で、最小限の労力とコストでデータから実用的なインサイトを得るための考え方を紹介します。
Grafana Labsのシニア・デベロッパープログラムディレクターであり、CTOオフィスおよびOSPOのメンバーです。Prometheusのメンテナー、OpenMetricsの創設者、OpenTelemetryのメンバーとしても知られています。CNCF技術監督委員会や理事会のメンバー、Observability技術諮問グループの議長などを歴任し、「Chop wood, carry water」賞を唯一2度受賞。KubeConやPromConなど、数百〜1万8千人規模の技術カンファレンスを主導・運営しています。過去にはメインフレームDBやISP基盤の運用、データセンター設計にも携わっています。