Kubernetes はステートレスワークロードの理想的な基盤として普及しましたが、現実にはリポジトリやCI/CD環境、開発者環境、レガシーアプリなど、ステートフルワークロードが数多く存在します。
これらの多くはマネージドサービスに逃がすことができず、性能要件から ReadWriteOnce (RWO) 永続ボリューム (PV) が必要という特徴があります。しかしながら RWO は「高性能だが単一ノード専用」という制約があり、ReadWriteMany (RWX) で済むアプリとの差が運用上の大きな悩みとなっています。クラウド各社のマネージドサービスではこの要件を満たせないため Kubernetes で RWO PV を直接扱う必要があり、これこそがステートフルアプリをクラウドネイティブにスケールさせる上での最大の難所であると言えます。
Kompox[1] はこの課題を解決するために開発中のオーケストレーションツールです。各クラウドのマネージド Kubernetes と RWO PV/スナップショットを抽象化し、Docker Compose 定義のアプリをローカルからクラウドまでシームレスにデプロイ可能です。さらにスナップショットによるバックアップ・復元、障害時のAZ・リージョン・クラウド間マイグレーションを容易にします。
本セッションでは Kompox のアーキテクチャとユースケースを紹介するとともに、クラウド各社におけるステートフル運用の現状と課題を整理し、ベストプラクティスを議論します。ステートフルワークロードの運用がスケールする未来を共に作りましょう!
[1]: https://github.com/kompox/kompox